この動画は、日本の若手ジャズシーンで活躍する実力派ミュージシャンによる、新型コロナウイルスのパンデミック中に制作されたリモート・コラボレーション作品として注目されました。
布施音人はピアニスト/作編曲家として活動しており、彼のピアノは、単なる伴奏に留まらず、和声でトランペットをしっかりと支えながら、デュオならではのインタープレイ(相互作用)を生み出しています。正統派のバップスタイルからコンテンポラリーまで対応する鈴木雄太郎のトランペットは、スタンダードのメロディを大切にしつつ、クールでリリカルな(叙情的な)トーンでアドリブを展開しています。
この動画は、2020年の緊急事態宣言下など、ライブ演奏が難しい状況の中で、ミュージシャンたちが自宅など離れた場所で音源を録音し、それを編集して一つの演奏に仕上げた「ステイホーム・コラボレーション」の一環として制作されました。これは、当時の困難な状況下でのミュージシャンの創造性と情熱を示すものです。「All The Things You Are」は、転調が多く複雑なコード進行を持つジャズの難曲としても知られています。このデュオでは、トランペットとピアノの二重奏というミニマルな編成により、楽曲の持つメロディとハーモニーの美しさが際立っています。
