「Tristeza」(トリステーザ)は、ブラジル音楽のスタンダード曲の一つで、特にボサノヴァのレパートリーとして有名です。この曲は、作曲家でありギタリストのHaroldo Lobo(アロルド・ロボ)と、作詞家でありジャーナリストのNiltinho(ニウチーニョ)によって1963年に作られました。
「Tristeza」という言葉はポルトガル語で「悲しみ」を意味し、曲の歌詞は恋人との別れや失恋による悲しみをテーマにしています。しかし、メロディはそのタイトルに反して明るくリズミカルで、サンバのリズムとともに心地よいグルーヴを生み出しています。この曲は、ブラジル国内外で多くのアーティストによってカバーされており、ジャズミュージシャンもこの曲を取り上げています。特に有名なカバーとしては、アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルト、エリス・レジーナなどが挙げられます。また、インストゥルメンタルとしてもよく演奏され、ピアニストやギタリストの間で人気があります。
「Tristeza」の楽曲構造はシンプルでありながら、ボサノヴァの特有のリズムとメロディが特徴的です。通常、AABA形式の32小節構成で演奏されることが多く、メロディラインは繰り返しが多いですが、その中にも微妙な変化があり、聴くたびに新しい発見がある曲です。「Tristeza」は、その普遍的なテーマと魅力的なメロディによって、何世代にもわたって愛され続けているスタンダード曲です。
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