作曲能力が高いジャズ・ミュージシャン特集

1.デューク・エリントン(Duke Ellington)

オーケストラ・ジャズの究極の建築家

デューク・エリントンはジャズを単なるダンス音楽から“芸術”に引き上げた人物です。彼の書く曲は、演奏者の個性に合わせて緻密に構築され、そのアレンジ力はクラシックの巨匠にも比肩すると言われています。

代表曲

「Mood Indigo」、「In a Sentimental Mood」、「Sophisticated Lady」

特徴

独自のハーモニーとオーケストレーション、個々のプレイヤーの声色を“楽器”として使い分ける、ジャズに長編組曲の概念を持ち込んだ革新性

2.セロニアス・モンク(Thelonious Monk)

不協和と跳ねるリズムを美に変えた孤高の作曲家

セロニアス・モンクの曲は、メロディ・和声・間の感覚すべてが唯一無二。誰が演奏しても「モンクの曲だ」とわかるほど個性が強く、スタンダード化した作品の多さはジャズ界でも屈指です。

代表曲

「’Round Midnight」、「Blue Monk」、「Straight, No Chaser」

特徴

不協和音を“味”ではなく“様式”として確立、リズムの重心をズラす天才的センス、シンプルなのに忘れられないメロディ

3.ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)

モダンジャズの未来を開いた哲学的コンポーザー

ウェイン・ショーターは、ハードバップの後のジャズが進むべき道を、作曲によって示した人物です。「構築」と「自由」のバランスが絶妙で、グループ・インタープレイを前提とした作曲は現代ジャズの礎になりました。

代表曲

「Footprints」、「Infant Eyes」、「Nefertiti」

特徴

メロディとハーモニーが“物語”として展開、スケール主義に依らない色彩感、空間を活かした現代的コンセプト

4.チック・コリア(Chick Corea)

ジャンルを越えて名曲を生み続けた“構築の魔術師”

チック・コリアはアコースティック、エレクトリック、ラテン、フュージョンなど、あらゆる領域で名曲を量産してきました。

代表曲

「Spain」、「Crystal Silence」、「Windows」

特徴

クラシックとジャズを架橋するハーモニー、曲全体に緻密な構造がある、メロディが非常にキャッチーで覚えやすい

5.ホレス・シルヴァー(Horace Silver)

“ファンキー・ジャズ”を形にした名匠

ブルースとゴスペルをジャズの文法の中に溶け込ませ、“硬派だけど親しみやすい”ジャズを生み出した作曲家です。
彼の曲はアンサンブルの完成度が高く、演奏する側も楽しいのが特徴です。

代表曲

「Song for My Father」、「Peace」、「Nica’s Dream」

特徴

シンプルで覚えやすいメロディライン、ハードバップの理想形とも言える構成美、洗練されたブルース感

6.アントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim)

ボサノヴァを世界標準化した“和声の詩人”

アントニオ・カルロス・ジョビンは、ブラジル音楽を世界に広めたボサノヴァの最大の功労者であり、作曲家・ピアニスト・ギタリストとして活躍した人物です。

代表曲

「Wave」、「Desafinado」、「Corcovado」

特徴

繊細で色彩豊かなコード進行、メロディの自然さと深い情緒、ジャズとクラシックを繋ぐセンス

7.パット・メセニー(Pat Metheny)

現代ジャズの音楽的世界を広げた“サウンドの建築者”

パット・メセニーの楽曲は、複雑さとメロディアスさを両立し、ジャンルの枠を越えた普遍性があります。

代表曲

「Phase Dance」、「James」、「Have You Heard」

特徴

美しいギターサウンドと調性感、映像的・情景的な曲構成、ライブで育っていく“オープンな作曲”

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