フランシス・レイ（Francis Lai、1932年4月26日 – 2018年11月7日）は、フランスを代表する作曲家であり、特に映画音楽の分野で世界的な名声を得た人物です。フランス・ニース出身で、イタリア系フランス人である彼は、シャンソンや映画音楽における哀愁漂うメロディーとシンプルで親しみやすいサウンドで知られています。
レイの映画音楽家としてのキャリアは、1960年代に本格化しました。特に、映画監督クロード・ルルーシュとの出会いが彼の人生を大きく変えました。1966年の映画『男と女』（Un homme et une femme）は、レイの名を世界に知らしめた作品で、彼の音楽は映画の成功に大きく貢献しました。この映画のテーマ曲「ダバダバダ♪」で知られるスキャットは、世界的に有名になり、シャンソンの流れを汲むシンプルかつ哀愁漂うメロディーが特徴です。この曲は、ピエール・バルーとニコール・クロワジールによるデュエットで、映画のロマンティックな雰囲気を象徴する名曲となりました。ルルーシュとのコラボレーションは20年以上にわたり続き、『パリのめぐり逢い』（1967年）、『白い恋人たち』（1968年、グルノーブル冬季オリンピックの記録映画）、『愛と哀しみのボレロ』（1981年）、『男と女 人生最良の日々』（2019年）など、数多くの名作を生み出しました。フランシス・レイの最も有名な作品の一つは、1970年の映画『ある愛の詩』（Love Story）で、この作品で彼はアカデミー作曲賞とゴールデングローブ賞を受賞しました。
フランシス・レイは、映画音楽の巨匠として、シンプルでありながら心を揺さぶるメロディーで世界中の観客を魅了しました。その音楽は、シャンソンの伝統に根ざしつつも普遍的な情感を持ち、時代を超えて愛され続けています。
