All Blues

「All Blues（オール・ブルース）」は、アメリカのジャズトランペッターであるマイルス・デイヴィス（Miles Davis）が1960年に発表したアルバム「Kind of Blue（カインド・オブ・ブルー）」に収録されている楽曲で、ジャズの名曲として非常に有名です。このアルバムはジャズ史上最も影響力のあるアルバムの一つとされており、その中でも「All Blues」は特に注目を集めています。

「All Blues」は、マイルス・デイヴィスによって作曲されました。アルバム「Kind of Blue」には、デイヴィスの他にジョン・コルトレーン（John Coltrane）、ビル・エヴァンス（Bill Evans）、ポール・チェンバース（Paul Chambers）、ジミー・コブ（Jimmy Cobb）など、ジャズの巨星たちが参加しています。

曲は12小節のブルース形式に基づいており、その中でも独特のモード（音階の組み合わせ）やハーモニーが使用されています。特に、マイルス・デイヴィスはこのアルバムで「モード・ジャズ」の先駆けとなり、従来の和声進行にとらわれない新しいアプローチを示しました。

「All Blues」では、Dorianモードが主に使用されています。このモードはメロディに深い感じを与え、曲全体に静謐で青い（”Blues”の由来）雰囲気をもたらしています。

曲は緩やかなテンポで進行し、独特なブルースのリズム感があります。このゆったりとしたリズムは、聴衆にリラックス感をもたらし、演奏者に即興の余裕を与えます。

「All Blues」はその深い感情表現と洗練された楽曲構造から、ジャズ愛好者やミュージシャンにとって永遠の名曲とされています。